かつらに関する製品情報-004(かつらの素材・ピン)

 

前回までのおさらいです。

 

既製品カツラ(レディーメイド)

 標準規格で大量生産出来るので安価

 但し、頭部形状や自毛へのフィット感に欠ける

  

オーダーメイドかつら

 一人一人の規格に合わせて作るカツラ

 頭部形状が重要

 毛髪も質感共に微妙な調整が可能

 

増毛法

 自毛に毛髪を結わえ付けて増毛する方法

 

貼付けタイプのカツラ

 頭部に接着剤で張り付ける装着方法

 無料お試し用として標準規格品が有る

 本格運用はオーダーメイド

 

被るタイプのかつら

 医療用かつら

 一般的な被るかつら

  両面テープやピンで自毛に絡めて止めるタイプ

 

本日はピンについて解説します。

一般的には金属で出来たクリップタイプのピンを指します。

金属製のピンだと

1)空港の金属探知機に引っかかるのではないか?

2)ゴルフ場での落雷に遭うのではないか?

3)交通事故で意識不明状態で病院でMRIを受けて火傷するのではないか?

などの心配が有ります。

心配するときりがないので、一般的なプラスチック化を図りました。

 

私が入社時点ですでに、ピーク材を使用したごついピンが有りましたが

軽量化低価格化を目指して、とある特殊樹脂で開発しました。

*ピーク材とは1㎏で2万円程度のスーパーエンプラで、

その剛性は金属と遜色ない強度を有します

 

樹脂メーカーに形状の流動解析から強度に弱い点を調べてもらったので

そこそこのものが出来ました。

(サビックのウルテムを使用しました)

他のカツラメーカーは当該樹脂の存在を知らないので、

強度がかからない形状などを考案して樹脂化を実現しています。

 

また、樹脂製ピンの開発中に、金属製での実際問題を調べました。

成田空港の入出国、マニラの入出国では金属探知に引っ掛かりません。

ゴルフ場などでの落雷事故も事例は見つかりませんでした。

MRIでの実験は、やらせてもらえなかったのですが、

日本でMRIに権威ある機関での調査でも事故事例はありませんでした。

 

結論としては、金属製でも樹脂製でも何を使用しても大丈夫です。

写真は金属製ピンです。

 

次回は毛髪と生地についてです。



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